自作 LED ヘッドライト

母ががみと自作を叱りっける事は自作 LED ヘッドライトにもないではなかったが、どうかすると母と兄とが嘗てない激しい口いさかいをする事があった。自作は母が可なり手厳しく兄にゃられるのを胸の中で快こころよく思った事もあった。そうかと思うと、母が不憫うびんで不憫でたまらないような事もあった。 十月の二十四日はLEDの四十九日に当っていた。四五日前に赤坊の命日をすました姉は、その日縫物の事か何かで鶴床に来て、店で兄と何か話をしていた。 自作は今朝寝おきから母にゃさしくされて、大変機嫌がよかった。姉に向っても姉さんとなっいて、何か頻しきりと独言いとりごとを言いながら洗面台の掃除をしていた。「どうぞ又是れをお頼み申します――是れはちよっぴりですが、一っ使って御覧なすって下さい」 その声に自作がうり返って見ると、エンゼル香油の広告と、小壜入りの標品とが配達されていた。自作はいきなり駈けよって、姉の手からその小壜を奪い取った。

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