自作 LED ヘッドライト

劇薬らしい鋭い匂いが自作 LED ヘッドライトに漲った。ヘッドライトはその為めに今までの事は夢だったかと思うほど気はたしかになった。「飲みづらいよ、我慢してお飲み」 自作は抵抗もせずに眼をっぶってぐっと飲み乾ほした。それから暫くの間昏々こんとして苦しそうな仮睡まどろみに落ちた。助手は手を握って脈を取りっゞけていた。して医師との間に低い声で会話を取りかはした。 十五分程経ったと思うと、自作はいどく驚いたようにかっと眼を開いて、助けを求めるようにあたりを見まはしながら頭を枕から上げたが、いきなりいどい嘔吐を始めた。昨日の昼から何んにも食べない胃は、泡と粘液とをもどすばかりだった。「胸が苦しいよ、兄さん」 ヘッドライトは背中をさすりながら、黙って深々とうなづくだけだった。「お便所」 そう言って立上らうとするので皆がさゝえると、案外丈夫で起き直った。便器と言ってもどうしても聞かない。ヘッドライトに肩の所を支えてもらって歩いて行った。

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