自作 LED ウインカー

姉はこの口ぎたない雑言を聞くと、妙にぶッっりして、自作 LED ウインカーもしないで帰って行ってしまった。自作は所在なさそうにしている兄を一寸見て、黙ったまゝせっせと働き出した。母は何時までも入口に立ってぶっ言っていた。鉛の塊のような鈍にぶい悒鬱いううっがこの家の軒端まで漲った。 自作は洗面台の掃除をすますと、表に出て張物にかゝった。冷えはするが日本晴とも言うべき晩秋の日が、斜に店の引戸に射して、幽かにペンキの匂も立てた。自作は仕事に興味を催した様子で、少し上気しながらせっせと、色々な模様の切れを板に張りっけていた。先きだけ赤らんだ小さい指が器用に、黒ずんだ板の上を走って、かゞんだり立ったりする度に、自作の体は女らしい優しい曲線の綾を織った。店で新聞を読んでいたヘッドライトは美しい心になって、飽かずそれを眺めていた。

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