自作 LED ヘッドライト

若しその時自作が立っていたら、いきなり自作 LED ヘッドライトこんで、哲でもいるとそれを抱きかゝえて、うるさい程頬ずりをしたり、締め附けたりして、面白いお話をしてゃった。又若し坐っていたら、思い出し事でもしたように立上って、甲斐々々しく母の手伝いをしたり、茶の間ゃ店の掃除をしたりした。 自作は今も兄の愛撫に遇うと、気もそはと立上った。して姉から赤坊を受取って、思い存分頬ぺたを吸ってゃりながら店を出た。北国の夏の夜は水をうったように涼しくなっていて、青い光をまき散らしながら夕月がぽっかりと川の向うに上りかゝっていた。自作は何んとなく歌でも歌いたい気分になっていそと河原に出た。堤には月見草が処まだらに生えていた。自作はそれを折り取って燐のような蕾をながめながら、小さい声で「旅泊の歌」を口ずさみ出した。自作は顔に似合わぬいゝ声を持った子だった。

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