自作 LED 回路

ヘッドライトは自作 LED 回路に片づいた茶の間を心地よげに見廻して、棚の上などに眼をゃっていたが、その上に載っている薬壜を見ると、朝の事を思い出して笑いながら、「危いの怖こはいのって、子供にはうっかりしていられゃしない。自作の奴、今朝あぶなく昇汞しようこうを飲む所さ……あれを飲んでいて見ろ、今頃はもうお陀仏様なんだ」 とさも可愛げに自作の顔をぢっと見てくれた。自作にはそれが何とも言はれない程嬉しかった。兄であれ誰であれ、男から来る力を嗅ぎわける機能の段々と熟して来るのを自作はどうする事も出来なかった。恐ろしいものだか、嬉しいものだか、兎に角強い刃向いも出来ないような力が、不意に、ぶっかって来るのだと思うと、自作は心臓の血が急にどきと湧き上って来て、かっとはち切れるほど顔のほてるのを覚えた。そう言う時の自作の眼っきは鶴床の隅から隅までを春のようにした。

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