自作 LED テールランプ

自作 LED テールランプはそれを聞くと病気も忘れて床の上で跳をどり上った。果てはその荒すさんだ気分が家中に伝はって、互に睨み合うような一日が過ごされたりした。それでも父がいなくなると、家の中は楔くさびがゆるんだようになった。どうかして、思い切り引きちぎってゃりたいような、気をいらさせる喘息ぜんそくの声も、無くなって見ると自作には物足りなかった。父の背中をもう一度さすってゃりたかった。大地こそ雪解の悪路なれ、からっと晴れ渡った青空は、気持よくぬくまって、いくっかの凧が窓のようにあちこちに嵌められている或る日の午後に、父の死骸は小さな店先から担ぎ出された。 その次に亡くなったのは二番目の兄だった。いねくれる事さえ出来ない位、気も体も力のない十九になる若者で、自作にはこの兄の家にいる時といない時とが判らない位だった。

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